Google+ 月イチ海外旅行プランナー: LCCの本当のメリットとは?

2010-10-23

LCCの本当のメリットとは?

LCCのメリットとしてクローズアップされやすいのが「価格」です。黒船襲来で価格破壊!みたいな穏やかでない見出しが雑誌にも踊っていますが・・・これは必ずしも正しくないんじゃない??、と思っています。今の日本の国際線航空運賃をみると、流通している格安航空券(=LCCではないメガキャリアの格安券)の価格は世界的に見てもかなり安い水準にあります。

たとえばトラベルコちゃんなどで検索してみると、特に多くの会社が就航しているメジャー路線は、かなりの低価格で提供されているものがあり、LCCより高いものばかりではありません。台湾なら1万円台、東南アジアでも2万円台の券がけっこうあります。ニューヨーク往復4万円なんてものまで…。

というわけで、価格についてはLCCの完全勝利ともいえないな~なんて思っていますが、一方で格安航空券には、特有の ”使いにくさ” が3つあります。この使いにくさの方が、私としては価格よりも、よほど厄介な存在です。以下の使いにくさゆえに、ここ最近は "格安航空券" を買ったことがありません。

1.たいていの場合において安い券は「時間帯未定」なこと。
時間に余裕がある人にとっては、これは大した問題にはならず、安ければOKということになるでしょう。しかし、普通に働いている大多数の人にとっては、休みを取れるスケジュールは限られています。よって、自分が買ったチケットが、出発直前になるまで、いったい何時に出発して、何時に帰国するのかわからないようだと、現地での予定もまともに立てられません。

2.「往復」が原則で、「片道」の格安券がないこと。
格安航空券は、基本的には出発地=目的地の単純往復であることが多いです。あるとしても、オープンジョーといって、往路着と、復路発を異なる都市にすることができるものです。しかし、格安券で「片道」のチケットは、ほぼ皆無といってよいと思います。片道が買えないデメリットは、自分で設計した周遊行程が立てにくいことです。

3.「滞在日数制限」があること
現地で○泊以上しなくてはいけないとか、○日以内に往復しないといけない、といったタイプの制限です。たいてい安いチケットほど、厳しい制限になっています。たとえば○泊以上について言えば、東南アジアではせいぜい2泊ですが、欧米では3泊以上が基本です。短い休みしか取れないのであれば、この制限がネックになることもあります。

さて。裏を返せば、上記3つの制約がないことが、LCCのメリットでもあると思っています。

LCCは、もちろん価格も安いのはメリットですが「きっちり便(時間)指定できる」「片道から買える」「滞在日数制限なし」というのが、大きなメリットになると思います。また、ルートの制限もないので、本当に自由な旅程が組めます。

たとえば、春秋航空(茨城→上海浦東)、新幹線で陸路移動(上海→杭州)、エアアジアX(杭州→クアラルンプール)、エアアジアX(クアラルンプール→東京羽田)という旅程も、自由に組むことができるわけです。このような旅程は、格安航空券ではまずありませんし、大手航空会社でこのルートのチケットを買おうとすれば、とんでもない金額になってしまいます。

LCCは、簡素なサービスで低価格、というだけの認識ではもったいないですね。さらに限られたスケジュールでも、自由な旅行ができるように、日本でもどんどんLCCが広がってくれたらと思います。