Google+ 月イチ海外旅行プランナー: Trinitarian Church, Bratislava, Slovakia - 11th May, 2008

2010-01-10

Trinitarian Church, Bratislava, Slovakia - 11th May, 2008


スロバキアの首都、ブラチスラヴァには特に行きたい!と思う場所があったわけではなかったのですが、プラハからウィーンへ移動するのに、少し寄り道するだけで済むなら…と思って予定に組み入れました。観光できたのは、この日の午前中だけという慌ただしっぷりでした。

中欧で人気があるであろう、プラハやブタペストに比べると、街並みは小規模で、史跡に対する保護もそこまでは行き届いていない様子でした。それだけに観光客は少なく、観光客がそこかしこにいるような、観光地然とした雰囲気が全くなくて、こちらも目的地を慌てて周回する必要もなく、とてもリラックスして散歩できた街です。

その中で、一際印象的だったのが、トリニティ教会で行われていたミサでした。トラムが走る大通りを歩いていると、バロック様式のこぢんまりとした教会の鐘が、爽やかな初夏の朝の空気を伝って来ました。日曜の朝だったこともあり、人影も車も極めてまばらで、忘れたころにけたたましくトラムが走りすぎて行くくらいです。その時は、地元のガイドを持ち合わせておらず、教会の名前も何もわかりませんでしたが、鐘の音に誘われて入ったところ、ちょうど日曜日だったため、ミサに立ち会うことが出来ました。

中は驚くほどに涼しく、ミサ曲に耳を傾けながら涼んでいると、老婦が杖をつきながら階段を上って来て、敬虔な祈りを捧げます。その後、若い労働者のような青年も、一頻りの祈りを捧げて街に戻ります。スロバキアは国民の約70%がカトリックらしいですが、そういった営みが日曜の定刻に、淡々と繰り返されている姿は、18世紀に建てられた、見事なフラスコ画やインテリアと相俟って、本当に美しいものでした。このときの旅行では、数多くの教会を見ましたが、観光スポットとしてではなく、信仰が自然と生活に融け込んでいる姿を、唯一垣間見ることができて、心が安らぎました。

【Trinitarian Church でのミサ】