Google+ 月イチ海外旅行プランナー: Kakku Pagodas, Southern Shan, Myanmar - 16th Mar, 2007

2010-04-08

Kakku Pagodas, Southern Shan, Myanmar - 16th Mar, 2007


カックー遺跡は、ミャンマー初訪の際にはずせない土地だった。ここに訪れたいがために、ミャンマーまで一人で旅行を企画したようなものだった。

ミャンマーはシャン州のほとりにある。ヤンゴンの空港についてから、すぐさま国内線に乗り継ぎ、インレー湖などの玄関口であるへーホーに降り立つ。ニャウンシュエの街を経由し、そこから更に、赤茶けた大地の道路をひた走って1時間半。ちなみに、途中で昼食をいただいた。この地方の料理はシャン料理として名高く、途中で立ち寄った店の料理が本当に美味しかった。

チャーターした車でカックーに向かう道を行くと、ところどころで鉄路と交錯する。実際に鉄道は走ってはいないようだった。山並みを縫うように、細々と敷設された鉄道。これで旅が出来たらさぞかし情緒のあるものになるだろう。後で調べてわかったことだが、ミャンマーの鉄道は戦前に敷設されたものから改修が進んでいないようで、発展から取り残されているようだ。その分、現役で蒸気機関車が走っているという情報もあり、鉄道好きの人が、わざわざ見に来るほどのものらしい。

さて。ようやくカックー遺跡にたどり着く。2000年9月に外国人に解放されたばかりで、近年までは『幻の遺跡』といわれていた。 近郊で一番大きな町、タウンジーから約40kmにあるカックー遺跡は、シャン州のほぼ南端に位置している。

ここには、紀元前に建立されたといわれる中央の白い大きなパゴダ(スーダウンピー・パゴダ)の周囲に、ストゥーパと呼ばれる細長い仏塔が林立している。300m×150mの、決して広くはない敷地の中に、約2500ものストゥーパが整然と並んでいる様は、圧倒的である。このストゥーパは、漢字で「卒塔婆」と音訳され、日本に言葉として伝わったといわれている。

12世紀に、最初の統一国家であるパガン朝の四代目、アラウンズィートゥー王が、パゴダの周りにステューパを寄進するよう住民に命じ、ここカックーに、集中してステューパの寄進が重ねられた。シャン族、パオ族、ビルマ族の各民族によってストゥーパの形が異なる。

静寂の中、ストゥーパの頂部に下がる鈴の音がチリチリとなる。高い音。風鈴に似ているだろうか。このように林立という表現がふさわしいストゥーパは、その数が約2500塔にも上ると言われている。風が靡くと、これだけ多くの数のストゥーパの鈴が鳴る。しかしそれでも、静けさの存在感の方が上回る。

ビルマ語での解説板も設置されていた。ビルマ語の文字は面白い。ちょうどタイ語とタミール語の間くらいに感じるのは、地理的にも、タイとバングラデシュの間のせいだろうか。

パオ族の幼く見えるガイドの女性は、英語をとても流暢に操って、ガイドをしてくれた。周囲に街らしき街もないこの土地で、こういった教育はどのように施されるのだろうか。ガイドとして英語を求められて適応するのは、努力はあるだろうが、そういった精神論ではない事情や背景が強く感じられる。

【Kakku遺跡のパゴダ群】