Google+ 月イチ海外旅行プランナー: 日本へのLCC乗り入れ雑感。

2010-07-31

日本へのLCC乗り入れ雑感。

さて、ここ1~2ヶ月は、春秋航空の茨城空港乗り入れが、けっこういろいろなサイトをにぎわせているようですね。Googleでも、”春秋航空 4000円”っていう予測検索候補がでてきますw

値段設定次第では、日本から中国への旅行層をそれなりに占められる可能性もあります。春秋航空は、とりあえず茨城=上海往復4000円!!という当初の謳い文句からは少しトーンダウンして、定期便化した暁には、座席の10%を片道4000円から発売するということになっています。それでも十分安い!どうせ成田も遠いので、高速バスで都心から直行できるなら茨城でもいいんじゃない?というのが個人的感想。

これから活発化しそうな日本へのLCCの乗り入れですが…一方で、ANAも外資と手を組んでLCCを設立するようです。しかし、関空拠点らしいので、東京在住者にとっては、HND-KIX-海外というルートを強いられそうです。LCCらしく、今まで飛んでいないような渋い都市に飛ばしてくれそうな期待もあるので、それはそれで楽しみにしていますが。

それよりは、個人的には少し高くても良いので、羽田に乗り入れてほしい。特にエアアジアには強く期待しています。エアアジアは、ソウルへの乗り入れも決定して、8月4日から販売開始しますね。ソウルークラアルンプールで、片道29US$~という、相変わらず刺激的な価格設定をしてきています。

ただし実際には、前に紹介した、ジェットスターのKIX=TPE、KIX=SINあたりの運賃動向を眺めてみても、いくらLCCとはいえ、恒常的に破格に安い運賃を提供してくれるっていうことはあまり期待できなくて、今でも日本の航空会社未定格安チケットなどは、こういったLCCが出している運賃よりも安いことが多いです。例えば台北行きなどは、19800円などの格安チケットが、たいていは存在しています。ジェットスターも、キャンペーンや、週半ば発着の使いにくい日程以外では、これより安い運賃はほとんど出て来ません。

LCCの参入によって、当然LCC同士の競争も激化するわけなので、消費者にとって嬉しい価格設定までこなれてくる日が待ち遠しいです。東アジアのLCC市場は、東南アジアに比べると非常に未成熟です。日本では、業界構造や法律・政治的な問題もあったりして、当初期待されたスカイマークなどは、やっぱり中途半端なビジネスモデルに終始せざるを得ず、国内線すら魅力的なLCCが事実上ありません。

国際線では、ジェットスター(JQ)とセブパシフィック(5J)が先鞭をつけていて、それなりに安い価格を提供してくれていますが、多数のLCC参入で、デスティネーションの種類が増え、LCCの選択肢が増えるまでは、価格も(就航キャンペーンなど以外は)高止まりしてしまうかもしれません。

個人的には、タイガーエアウェイズと、エアアジアには、こういった停滞感や保守的な予測を打破する社風と力があるように感じますので、どちらかの日本就航を強く期待しています。

そうそう、タイでは、タイ国際航空(TG)とタイガーエアウェイズ(TR)が共同で、タイ国際航空のLCCを設立することで合意したそうです。2011年Q1からの運航開始を目指すとのことです。こういった動きから想起するに、ANAが考えているLCCは、単なる外資の注入なのか、それとも既存LCCとの提携ベースの話なのかによって、ダイナミックさは全く異なったものになるでしょう。ANAがほとんどの主導権を握っているうちは、残念ながら東南アジアのようなLCCらしいLCCは期待薄と言わざるを得ません。